「澪つくし」
ドラマ「澪つくし」終了。面白かった。
BSプレミアムの朝ドラ再放送枠で去年の秋からやっていたものを録画しながら一度も飽きることなく全話見てしまいました。「おしん」「はね駒」と続いて「澪つくし」まで続けて楽しんできたわけですが、昔の朝ドラって面白い。
現代の朝ドラは出演者と脚本家によって見たり見なかったりという感じですが、多くはご都合主義といいますかヒロインに合わせてストーリーが動き、つじつまがあわなくてもそのまま、その上事務所の力関係などの視聴者には関係のない大人の都合が透けてみえたり、学芸会の様相になったりで、でも所詮朝ドラだからとこちらもゆるーく仕方ないなという苦笑混じりの視聴も度々でした。朝ドラなんてそんなかんじよね、と。
(過去作で自分的に面白かったのは「オードリー」「芋たこなんきん」「あまちゃん」「ひよっこ」)
現在放送中の「おちょやん」も途中で脱落。
ところが昔の作品を立て続けに見たら、物語に吸引力があって「明日はどうなるの」「これからどうなるの」のパワーに
圧倒されます。
「おしん」で1983年。まだ専業主婦率も高くて、朝の慌しい時間に家族を送り出してこの後また家事に頑張るお母さんのほっとする15分の楽しみ、ながら視聴もあるでしょうが家族に遅れての朝ごはんを食べながらのクオリティの高いオアシスだったんだろうなぁと思います。
「澪つくし」のなにがすごいって、どのキャラクターも生き生きとしていて行動に意味があり不自然じゃなかったところ。
見終えて振り返っても主人公2人以外でも、女中のツエさん(「すいません」にあれだけ表情をつける鷲尾さんもさすが)、異母弟の英一郎、女中頭のハマさんとどのキャラクターもドラマをたどることが出来て感服しました。
私のお気に入りは律子さん。と、いうか桜田淳子さんってこんなに美しくてこんなに演技が巧みな人だったと今頃知りました。「アニーよ銃を取れ」と「細雪」の舞台の噂は知っていましたが未見だったし。
そして岩本多代さんのおっとりとした、芯の強さも見せる千代さん。いかにも大店の奥様の芝居と完璧な紀州弁が素敵でした。
一部、ヒロインがあまりにも拙すぎるところがあったり(でもあれだけ美しければ良し)、それ故にかナレーションで心情を説明しすぎたり、明石家さんまのキャラがどうにも浮くなと感じたりというマイナス面もありましたが、広げた風呂敷はちゃんとたたむ、緩急つける。一人ひとりの考えと動きに説得力があって、出したキャラクターは使い切り、途中で消えたりしない、という徹底振りにさっすがジェームス三木!と拍手です。
戦前からの物語なので着物姿が中心となりますが、ヒロイン一人を見ていても年齢と立場によって着るものが変わるのは当然としても着付け、襟のあわせ、帯の高さなど細かく変わっていくのも楽しかった。まだ着物文化がかろうじてテレビ界にも残っていたんだなと思わされます。
次は「あぐり」ですって。これまた楽しみ。
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