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2020年2月16日 (日)

直木賞受賞エッセイ集成

「直木賞受賞エッセイ集成」(文藝春秋)という本を読んでる途中ですが、これ滅法面白いです。
タイトルからわかるとおり、直木賞受章直後の作家に依頼された20枚の記念エッセイ集で、平成十二年下半期以降の36本で編まれています。
超多忙且つ多分精神的にも普通ではいられない中の執筆だと思われますが、やはりこういう状況でこういう内容の原稿は皆さん力が入るのか、なんと言うか圧が凄い力作の数々が読めます。

 

世間の注目も高く、新しい読者をつかめるかどうかの節目、人生におけるいくつかの山のひとつの頂上にいる状態でかかれた自伝エッセイですから、そりゃあ力作も揃うというものです。読み応え充分、おすすめ。

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我がご贔屓、奥田英朗氏は当時受賞作の主人公と奥田氏の架空対談を書かれたそうですが、この本への再録は恥ずかしくてお断りになったとか。
ところが「断ったらエッセイが載らないのはあなただけ」という状況になり、十年後に新規に書き改めたものが載っています。この柔軟なのか頑ななのかのわからなさ、大好きですね。

 

ところで、松井今朝子氏のものを読んでいて思わず驚きの声をあげてしまいましたよ。
何作か拝読しているものの、プロフィールについてはあまり存じ上げず、たしか松竹にいらしたんだよなぁという程度の知識しか持ち合わせていませんでしたが、このエッセイを読んであそこのお嬢さんかと知り、それなら見てきたもの、会ってきた人もそれなりで、あの独特な江戸の雰囲気の描写はこのあたりにも秘密があったのかと膝を打ちました。
憧れの諸氏のお名前が登場する演劇畑のキャリアの話も大変面白かったけど、『ぴあ歌舞伎ワンダーランド』の監修をしたという点が一番の驚き。
この本、私がまだまだ歌舞伎初心者だった頃に(今もそう変わらんが)ずいぶん助けられた1冊だったんですよー。
演目解説、写真の多さ、独特な表現の解説からあれこれまでカユいところに手が届きっぱなしの内容で、面白くて実用的な一冊なんです。
まだ手元に持っているので書棚の奥からひっぱりだして見れば、奥付にはあらほんと「監修 松井今朝子」の文字がありましたとも!へえぇ。

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「直木賞受賞エッセイ集成」は巻末に直木賞受賞回のデータと受賞作家のプロフィールが載っている点も親切な一冊。
今まで読んだことのなかった作家の作品もこの本から辿れそうです。

 

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