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2019年10月 2日 (水)

「栗本薫と中島梓~世界最長の物語を書いた人」里中高志

栗本薫をはじめて読んだのはいつだったか。多分高校に入って親しくなった友人が「グイン・サーガ」を教えてくれたんじゃなかったかな。
既に何巻か出ていたのを読んで、そこから他ジャンルの作品群をさかのぼっていったように思います。
友人はやおいモノと言われるものも好きでしたが私はそちらはまったく受け付けず、代わりに伊集院大介シリーズや「ぼくら」シリーズが大好きでした。

 

一人の人がこんなに色んな種類の作風で、芸道から時代もの、ミステリにエッセイと送り出すのがホンマかいなという感じで、なんという作品でしたか、一冊に編まれた中篇小説数本が全て違うジャンルというものすごいものまでありました。
※※

 

作品の面白さはもちろん、私はこれを書くのだと発散する熱量に惹かれてこちらも「読まされる」という感じ。引きずられる快感、翻弄される喜びといいましょうか。

 

そのうち読書傾向が広がったこともあり、段々作品から遠のいていってしまったのですが、高校生時代の私のアイドルの一人であったことは事実です。

 

お芝居に傾倒されていったのがちょっと不思議でねぇ。
紙とペンであれだけの世界を紡ぎだす人が、いくら才能豊かとは言え、まったくの畑違いに手を出さなくてもいいのに、その分グインがなんだか面白くなくなってきたなと70巻くらいで手が止まってしまったのが我ながら残念でした。

 

 

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その栗本薫/中島梓の生涯を著作と取材から検証したという一冊です。大変に面白かった。
著者がファンであり、それゆえに冷静にきっちりと書き込んだ素晴らしい評伝です。

 

呻吟して物語をひねり出す作家なのではなく、ほとばしるものを書き留める、熱に浮かされるようにただ異常に集中して書く。
中島梓と栗本薫はただのペンネームというのではなく、別人格なんじゃないかと思われるほど。ご自身も多重人格を意識していた。
怒り出すと何時間も途切れず声が枯れ、へとへとになるまで怒ったり、人と親しむ一方で難しい人だといわれ、稼ぎを芝居に注ぎ込み、
集中が妨げられて半狂乱になる…あぁ、そうだったんだろうなと腑に落ちる一方、さぞ辛かっただろうなと思わずにいられませんでした。

 

栗本薫/中島梓の著作は大量に残してあります。また読み返したくなって来ました。

 

それにしても、高校生の時に文芸部の雑誌に掲載した「産婆」という作品の概要の鋭さ、早熟さよ。

 

※敬称略
※※今書棚から引っ張り出して来ました。「十二ヶ月~栗本薫バラエティ劇場」。小説新潮82年1月号から12月号まで全てジャンル書き分けという企画モノ。
突然思い出したが、このなかの七月のイメージが竹宮恵子だと友人と盛り上がったのでした。 

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