奥田英朗「罪の轍」
新刊を常に楽しみにしていて、店頭で手に取ったら躊躇せずレジに走る作家とライター。
私の場合は桐野夏生・桜木紫乃・島崎(正確にはたつさき)今日子・そして奥田英朗の各氏かなぁ。
ハズレなしです。
と、言うわけで買いました奥田英朗さんの新刊「罪の轍」。
設定を読んで「オリンピックの身代金」の副産物かしらとチラッと思いましたがどうでしょうか。
紀伊國屋書店に立ち寄ったらサイン本があったのでついそちらを手に取りました。
明日からの通勤の友じゃ。楽しみ!
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※後日追記
「オリンピックの身代金」の副産物か、なんて書きましたが、捜査一課の同じ顔ぶれの刑事さんたちが登場し、姉妹編(?)だと気づきました。「罪の轍」の方が「オリンピックの身代金」より少し前の出来事で、小さなエピソードがちゃんと繋がって描かれています。
それぞれ独立した作品ですが、奥田ワールドファンにはそういう楽しみもあります。
私は前作で仁井刑事贔屓だったので、また会えて大変うれしい。
とにかく無茶苦茶面白いです。
全編に漲るテンションがいささかも揺るがずクライマックスまでグイグイ引っ張られます。
私はこの数日、電車を乗り過ごしそうになり、仕事中に続きが気になりソワソワ。そして最後の数十ページは帰宅後上着も脱がずに一気に読了しました。
実際の事件がモデルになっているものの、もちろんあくまでフィクションです。
ミステリとしての手ごたえとともに、警察組織、山野の左翼活動、反社会勢力を描写し、時代を織り込んで圧倒的な作品です。
エンタメというのはこういうモノだというお手本の一冊。
緊張感の中に時々フッと笑ってしまう表現あり、その辺りもさすがの奥田節でした。
で、また「オリンピックの身代金」を読み返す楽しみが出来たわ!(エンドレス…)
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