« 1994年のミュージック・マガジン | トップページ | 期限前投票に行ってみた »

2017年10月16日 (月)

服部克久 傘寿メモリアルライブ

BS-TBSで10月14日に放送された「服部克久 傘寿メモリアルライブ」を視聴。
10月2日に昭和女子大学人見記念講堂で行われたコンサートのテレビ編集版です。

色んなジャンルの歌手が大勢出ていて、元々かなり詰め込み感があったろうと思われるコンサートをさらにテレビ番組として実質1時間40分くらいに短縮しているために、番組としてはギュウギュウ詰めの印象がぬぐえませんが、それでも中々楽しゅうございました。

なによりも、最近お姿を拝見することの少なくなった服部克久さんがとってもお元気でピアノの打鍵も力強くお話も昔と同じく楽しくてそれがうれしかった。

以下、感じたことをいくつか。

・娘はおろか孫世代の司会のアナウンサー女性が「克久さん」と呼びかけるのに違和感。
仮にそう呼ぶようご本人がおっしゃったとしたら、その説明を入れないと見ていて失礼だと感じてしまうのですね。この司会の女性は終始いっぱいいっぱいでした。

・岩崎宏美さん、渡辺真知子さん、ちょっと世代は下ですが渡辺美里さん。
女性は加齢でどうしても声が出にくくなりますが、この方たちは声量もたっぷりで昔のようにならない部分はちゃんとテクニックでカバーしていて、こういうプロフェッショナルを見るのは大好き。
渡辺真知子さんはラテンもいいのよね。坂本スミ子さんに続く日本のラテン歌手だと思ってます。

・佐藤竹善さんはフェスでもテレビでもこういう大勢が並びで出る機会に重用されるかただなぁ。必ずいらっしゃる。
そして人様のハモりだろうが一節だけの歌唱だろうがニコニコきっちり完璧にこなしてこれまたプロ。
ご自分が出るときは出て、引くときはすっと引ける。多分エエ人な感じがするんですよ。

・服部克久さんにご子息の隆之さん、お孫さんの百音さんも登場。この一族はこの日の主役ですが、サーカスもご姉弟とお子さんだし、演奏陣の中に平原まことさんがいてステージで平原綾香さんが歌う。血縁だらけ。
もっとも技量のある方の場合二世ということは普段思い出しませんけれど。
さだまさしさんも、今回は出ていませんが佐田玲子さんのお兄様でヴァイオリニストの佐田大陸さんとピアニストの佐田詠夢さんのお父様だしなぁ。

・そのさださんが何を歌うかと言えば「小夜曲」懐かしい。曲・編ともに服部克久さん。
文語体の歌詞が素晴らしく、今回のステージの編成が生きた一曲でこれは本当に良かった。
服部隆之さんによるボサノバアレンジの「一杯のコーヒーから」も克久さんピアノ、隆之さん指揮でカメラワークも良くて贅沢でした。
隆之さんのデビューが確かさださんのアルバムアレンジだったと記憶しています。

・服部良一さんは曲が出来ると「おーいできたぞ」とご家族を読んで聞かせたそうで、奥様とお子様方が最初のリスナーだったそうです。
ご家族が大好きな泣き虫なお父上だったそうで、いい話なのでここにメモ。

この番組の見せ場はやはり三代の演奏シーンでした。
新進ヴァイオリニストの服部百音さんは普段、服部克久の孫ということを特に出しもせず隠しもせずというスタンスのようですが
(演奏会のフライヤーを良く見ますが書いていたことは無いと思います)今回ばかりは「お孫さん」という微笑ましい場面が拝見できました。
クラシックを聞く耳に大して自信はありませんが、いいヴァイオリニストさんだなぁと思います。
左手にガルネリと弓、右手にマイクを持たされておじいさまと握手という無茶なシーンでヴァイオリンは死守!ちょっとハラハラしました(笑)

地位と財を成した人が子に何を伝えるか。
服部良一さんが克久さんに環境に加えて「教育」を授けられたのが見識だったんだなと思わずにいられません。
もちろん才もお持ちだったのでしょうが、それを結実させてさらに隆之さんに繋げられ、またさらにお嬢様に。
代々続く音楽一家と評されますが、その智見と品格が服部家を作ったのかなと思いつつ最後の「ル・ローヌ」を演奏する2台のピアノとヴァイオリンを聞きました。隆之さんがお父様とお嬢さんに配る視線のお優しいこと。
そうそう、服部家は「しゃれっ気」というエッセンスをお持ちなのも忘れちゃいけません。私はここに関西ルーツを感じてしまいます。

総合演出とプローデューサーは服部英司さん。あ、もうひとりいらした。つくづくすごい一族だなぁ。ますますのご隆盛を。

« 1994年のミュージック・マガジン | トップページ | 期限前投票に行ってみた »

音楽」カテゴリの記事