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2017年10月 2日 (月)

OH LUCY!

視聴してもう何日も経つのだけど、どうにも気になって頭の中に残っているドラマがあります。

NHK総合で9月16日放送の「OH LUCY!」。
詳しい事情はよく知らないのですが、どうやら来年公開の映画作品をテレビドラマ版として編集したものが今回放送されたものだそうです。

監督・脚本 平栁敦子
出演 寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里、役所広司、ジョシュ・ハートネット(敬称略)。テレビ版の編集に監督がどれくらいかかわっているのかは良くわかりませんでした。

見る気になったのは「寺島しのぶ」の名前があったからです。
舞台でも映像でも、寺島しのぶが出るものにハズレなし、と思っていて、と言うか寺島しのぶか選ぶ仕事にハズレなしと言い替えてもいいかも知れない。
彼女の芝居はどれも「腹が据わっている」印象があって大好きなんです。

そこへ南果歩、役所広司と来たら、当然チャンネルあわせますよね。

話は、高齢独身OLが姪に押し付けられて英会話教室の授業を受けることになり、その講師の男性に惹かれる。が、彼は姪とアメリカに行ってしまい、それを姉と共に追って渡米…という話。
途中まで、いわくある姉妹の和解へのロードムービーになるのかしらと思ってたらとんでもない、全然違って、もっとギリギリなキツイ話でした。

全編語りすぎない中に、主人公の中に渦巻く色んな負の感情がバシバシ伝わって、そこへ姉の尖った「怒り」の感情が救いがたくぶち込まれ、姪の言葉とふるまいにかき回されて途中まで「すごいものを見てるわー」「とんでもない作品かも」と圧倒されました。
だのに、ラスト10分が「あれ?それでいいの?そんなんでおさまるの?」と私の中ではしぼんでしまった。
どうにも腑に落ちず、「惜しいなー」と思いつつ見終えたのでした。
納得いかなかったのであっさりレコーダーから消去。

ですが。
普通なら忘れていくはずのこのドラマが冒頭に書いたように、頭から去らないのです。登場人物それぞれの感情にザラザラと撫でられた感覚が残ってしまった感じ。ストーリーそのものより、そのザラザラ感につかまってしまった。

主人公のヒリヒリとした感情の動きや血縁との関係性においてT・ウィリアムスの「欲望という名の電車」がふと頭をよぎったりもしました。(寺島さんはまだブランチは演じてしませんでしたっけ?)
主人公を抱きしめてあげたい。とかよくあるでしょ?
そんなこと思いません。来ないで、近寄らないでっと思ってしまう。

くやしい、もう一度見て消化したいと思っても消してしまったのが後の祭り。
またそのうち再放送あるかもと期待しておきましょう。

そうそう、忽那汐里が良かった。
ポッキーのCMしか知らないのですが、当時、健康的な作りのコマーシャルなのになんというか肉感があって妙な感じのお嬢さんだなと思ったんです。それで名前を覚えてました。
小悪魔・現代っ子というだけでないひっかかるキャラクターの芝居と派手なルックスが他の手練れの俳優に引けを取っていませんでした。

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