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2016年5月 4日 (水)

松本隆スペシャル~置き去りにできない歌物語~

連休中にじっくり腰をすえて見るつもりで、とっておきにしてあった番組を視聴。
BSフジで4月24日に放送済みの『HIT SONG MAKERS 栄光のJ-POP伝説 松本隆スペシャル~置き去りにできない歌物語〜』です。
丁寧で、隅々まで行き届いた2時間番組でした。
くだらない番組が多過ぎるために、もうテレビなんて処分してもいいんじゃないかと時々思ってしまうのに、こういう番組を見るとコロッとその気持ちがひっくり返ります。

松本隆さんの楽曲の中には、代表曲・誰もが知るヒット曲だとは言えなくても存在感を持つ曲が数多くあります。
そうした作品のなかから、ご本人が曲を選び、その曲に対するインタビューを交えつつ、実際にスタジオライブでのその曲も楽しもうという趣向です。

インタビューで、松本さんは
「売れるアルバムを作りたいという気持ちを強く持っている。アルバムのことを考えるとシングルのB面には意味がある。アルバムを買いたいと思わせるにはB面も良くないといけないんだ」ということを話しておられました。

商業作詞家としてしごく当然なお考えだと思いますが、実際「捨て曲」という言葉がありますよね。
聞き手が言う場合もすごく失礼な言葉ですが、たまに作り手が(自虐的にしろ)アルバム曲やカップリング曲を差して言う時があって耳を疑います。
その点、「商業的な成功」と「質の高さ」を両立してこられた人は、やはり作ることに対して誠実なのだとほっとします。

さて、番組内で10曲足らずの曲が取り上げられ、歌われたのですが、その中で特に2曲印象に残りました。

まずは、冒頭のはっぴいえんどの「朝」。
松本さんご自身が「はっぴいえんどの稀有なラブソング」と話しておられました。
ご自分の二十歳のときの恋愛とリンクしているということです。曲は大瀧詠一さん。

そしてラストの冨田ラボ feat.ハナレグミの「眠りの森」。
インタビューによると「朝」と好対照の朝シリーズと笑いながら、同じカップルの話でいいよ。と話されました。
二十歳くらいの「朝」のカップルが結婚して時を経て、ミドルエイジのカップルとして「眠りの森」となっている。
この曲では微妙な幸せ感を歌にしたかったそうです。曲は当然冨田恵一さん。

どちらの詞も、曲も味わい深く、繊細で松本さんの詞の大好きなところが味わえました。
そして確かにおなじカップルの曲として聞くことができます。

この番組の中ではオリジナルの歌い手がスタジオライブも行いましたが、この2曲は例外でさかいゆうさんが歌いました。
一人だけ2曲歌ったのもこの方。
これがとても良かったです。特に「朝」のリリカルな魅力にはドキドキしました。その曲の世界に連れて行ってくれます。
ご自分の解釈を伝えるのが上手いのかな。本当に素敵でした。

松本さんの口からこの2曲は同じカップルのものという発言があり、その2曲は同じシンガーが歌い、それを番組の最初と最後に配置する。
このあたりにも番組の作り手の丁寧さが見えます。
さかいさんは松本さんの「この2曲は同じカップルの歌」というお話を知って歌ったのかな?知りたいですね。

さかいゆうさん、去年NHKのCoversの特番でも気になったのでした。
で、その後CDショップでふと思い出して探したら、ご本人かどうか確信の持てないジャケット写真にビビッてしまい、棚にもどして、それっきりだったのをまた思い出しました。
作家にしろ、ミュージシャンにしろ、最初はなるべく予備知識を持たないほうがいいかなと、検索したりアマゾンでレビューを読んだりしないように心がけているのです。

年齢不詳の優しそうな顔立ち、ふっくらして緊張感を持たせない印象に、どこかで見た可愛いイラストのイメージがあったのですが、私が手にしたCDジャケットはエグザイル系ばりのいでたちでキーボードの前でポーズをとっていた…。
あれは正解だったのでしょうか。

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