演劇チラシ5~劇団夢の遊眠社「透明人間の蒸気」
劇団夢の遊眠社の「透明人間の蒸気(ゆげ)」。
その後再演があったようですが、これは1991年の初演チラシです。私が見たのは9月27日から10月20日までの新神戸オリエンタル劇場公演です。
実は内容をさっぱり覚えていません。チケット半券があるので見たのは間違いないのですが…。
演劇は集中度が他のメディアよりも段違いに高いので、昔のことであっても何かしら記憶しているものですが、この作品に関しては、お恥ずかしいことにカケラも出てきません。
多分、難解な野田戯曲にとっかかれなくて付いていけなかったのではないかと想像します。
遊眠社作品はかなり見ましたが、言葉も出ないほど気持ちに刺さるか、まったくポカーンとしてしまうかの両極端の感想が公演ごとに行ったり来たりでした。自分の理解力の拙さにオロオロしていた記憶があります。
今のようにインターネットがあれば、戯曲の解釈についても色んな方の考察を知ることができたりするのですが、当時は同行の友人と意見を交わし、台詞中の文言をヒントに色々考えたり、後日発売される演劇雑誌で内容を補填したりするのがせいぜいでした。
野田作品は言葉の遊びやパラレルワールド、飛躍が面白くてでも難解。
そこをギャグやパロディ、役者の魅力で彩っていて独特でした。劇団の勢いと時代の後押しもすさまじかったですしね。衣装やセットも面白かったなぁ。
今もご活躍の俳優陣の写真から。
段田安則さん。
浅野和之さん。
羽場裕一さん。皆さん演劇女子にキャーキャー言われるアイドルでした。
チラシの右肩にスポンサーのJR東海のロゴが入っています。
今の演劇界の状態からは信じられないことですが、80年代の小劇団ブームというのは空恐ろしいほどの勢いがありました。特に遊眠社はその象徴たる存在でこんな大会社がスポンサーだったのですね。
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