宇江佐真理さん
作家の宇江佐真理さんが亡くなったことを7日夜に知りました。
ご著書のあとがきや闘病記で体調が良くないことを知っていましたので、どうかお辛くない状態で日々を送って
くださいと祈っていたのですが、とうとう天国に行ってしまわれました。
訃報に接して昨夜からためいきばかりついています。
私は特に「髪結い伊三次」シリーズでの江戸庶民のまっとうな暮らしを描いた文章が大好きでした。
自分の身の丈にあった生活をし、意地を通し、ささやかな楽しみを見つけて日々を過ごす市井の人々を活写する文章が
とても魅力的で、江戸時代に生きる親戚の生活をタイムマシンでそっと覗くような愛おしさを感じていました。
宇江佐さんはずいぶん前のエッセーで、
「いたずらにじたばたせず、書き残したものはないか、用意万端調えて、従容として死にたい」と書いておられました。
ご自分の病を文章にされるときも肝の据わった強さを見せておられた方ですから、きっとそのようであったろうと思います。
伊三次を最後にどう描くのかは決まっていると書いていらしたのに、それを読むことはかないませんでした。
書きたいものがまだまだおありだったことと思います。
ファンの一人としてももっと読ませていただきたかった。残念です。
ご冥福をお祈りします。
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