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2014年8月 7日 (木)

花ならば赤く 有吉佐和子

一番好きな作家は?と聞かれたら、即「有吉佐和子!」と答えて来ました。
初期の「断弦」(26歳でこれを書くか)や「墨」などは特に何度も読み返すほど好きですし、川三部作と呼ばれる「紀ノ川」「鬼怒川」「有田川」もはずせないし、「母子変容」や「和宮様御留」などはもう偏愛と言っても良いかも。

有吉作品を手に取ってしまったら最後、本を閉じられず、その物語の中に引き込まれていく快感といったらたまりません。
最初に読んだのは母の手元にあった「一の糸」か「華岡青州の妻」だと思いますが、夢中で読んだ記憶があります。
中学生だったかもう高校生だったか。

その後、お小遣いで文庫を買い、古本屋で絶版をあさり、インターネットで、図書館でのコピーとあらゆる方法で作品を読んで来ました。
(図書館コピーはもちろん司書さんのアドバイスに従いました)
おそらく、市井の一ファンが読めるものはほとんど読んでいる様な気がします。
和歌山が大好きで、何度も旅行しているのも有吉さんの影響を少なからず感じます。

さて、今年は没後三十年とか。
いくつかの雑誌でも特集が組まれ、作品が復刊されるといううれしい動きがありました。
手元にない作品の復刊がないものかと期待していましたら、集英社文庫から「花ならば赤く」という作品が出たのを知り、すぐさま手に入れてきました。なんと単行本未収録の初文庫化とか。

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学校を出て、口紅を作る小さな会社に就職した主人公が,その会社で知った大人の男の人に惹かれたり、忙しい仕事のあれこれを楽しんだりというお話。

率直で現代っ子のヒロインが魅力的です。
読みながら、えーっ、それでいいの?と思う行動もありますが、いっそ小気味いいです。
会社の人々の描写も生き生きと楽しめますし、私は口紅会社の広告女優鏡さんが好ましいです。
有吉さんご自身が吾妻徳穂さんに付いて勉強をはじめたころ、みるみるうちに舞踊の世界を理解して身に着けていくさまに回りの人たちは舌を巻いたといいますが、この物語のヒロイン晴子はそのころの有吉さんを想像させてくれます。
昭和三十六年に書かれた作品なのですが描写の古さをも楽しませてくれるところはさすが有吉さんという気がします。面白かったです。
タイトルもおしゃれですね。

巻末に有吉玉青さんが「忙しすぎて単行本にする暇がなかった」のではと書いておられるので年譜を引っ張り出して見たのですが、本当に忙しい。
書きまくり、対談などもこなし、プライベートでもマスコミを賑わせ…丈夫でない方だったのにと思うと凄まじいものすら感じます。

有吉さんの年譜に関しては翰林書房「有吉佐和子の世界」が詳しいです。
これを読んでいるだけで、作家有吉佐和子の凄さが伝わるようです。

各出版社さん、どんどん復刊お願いします。
というか、今手に入る全集がないというのが不思議です。
今は読めない寄稿、エッセーの類も読みたいなぁ。

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